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ニトロベンゼン (nitrobenzene)

ニトロベンゼン (nitrobenzene) は分子式 C6H5NO2 で表される有機化合物で、ベンゼン環にニトロ基が置換した構造を持つ。ニトロベンゾール (nitrobenzol)、ミルバン油 (oil of mirbane) とも呼ばれる黄色油状の物質である。有毒で水に難溶。杏仁豆腐のような、あるいは桃を腐らせたような芳香を持つ。

濃硝酸と濃硫酸を混合した混酸をベンゼン (C6H6) に反応させて作る。このような反応はニトロ化と呼ばれ、芳香族求電子置換反応の代表例である。混酸中では反応活性種としてニトロニウムイオン (NO2+) が発生している。

H2SO4 + HNO3 → HSO4− + H2NO3+
H2NO3+ → NO2+ + H2O
C6H6 + NO2+ → C6H5NO2 + H+
ニトロベンゼンをスズまたは鉄と塩酸と共に反応させると塩酸アニリンを生じ、これに水酸化ナトリウムを加えることでアニリンが生成する。

他の多くのニトロ化合物とは異なり爆発性はなく、消防法上は第4類危険物(第3石油類)に指定されている。

用途
主にアニリンおよびその誘導体、例えばメチレンジフェニルイソシアネート (methylene diphenyl diisocyanate, MDI) などをはじめとして、ゴム、殺虫剤、農薬の製造に用いられる。靴や床の研磨剤、革製品の仕上げ剤、塗料の溶剤、不快臭を隠すための製品にも利用される。ニトロベンゼンの置換反応は m-誘導体を得るのに使われる (Mannsville 1991; Sittig 1991)。蒸留精製することにより、ミルバン油として石鹸用の安価な香料として用いられる。鎮痛薬のひとつ、アセトアミノフェン(別名パラセタモール)の製造原料としての市場価値も高い (Mannsville 1991)。また、非常に大きいカー定数を持つためカーセルに使われる。

生体への影響
急性症状としてニトロベンゼンの蒸気を吸引したり、皮膚より吸収することで、メトヘモグロビン血症を引き起こし疲労感、めまい、頭痛、吐き気を催す。慢性症状として肝障害を引き起こす。発癌性はIARCリスク評価では動物実験では発癌性が疑われるものの、ヒトでの疫学調査では発癌性が証明できない「ヒトに対して発癌性があるかもしれない」Group 2Bに分類される。

毒性を引き起こさない限界量 (NOAEL) は、1.2 mg/m3(吸引)、0.36 mg/kg/day(経口)と推定されている。

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2008年11月25日 16:16に投稿されたエントリーのページです。

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